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智一・美樹のラジオビッグバン』(日曜日:25:30〜26:00 / 文化放送) の番組内で、関智一さんが朗読しているものをテキストにまとめたものです。
 
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シュラキ外伝 「木漏れ日の神子(かみこ)」

5月20日放送分 : 第 三 話

 
今から語るのは、この広い世界の長い歴史に比べれば、きっと、ほんの一握りの露草が、
宵闇をそよぐ風になびいて落とした、一滴の雫に過ぎないのかもしれない。

それは小さく、儚く、そして脆い。

けれど私にとっては、長い年月を掛け大地が作った、輝く鉱石よりも美しく、
冬を越え雪の天井を突き破った春の芽吹きのように活き活きとした、生命の物語であった。
かけがえの無い、大切な、私だけの輝き。

シュラキ外伝、「木漏れ日の神子」。第三話。



今夜は冷える。寒気(かんき)が下りたせいか、空気が澄んでいる。
横顔に影を落とした月が、その艶やかな肢体を露にしていた。  


朱羅姫について、話を続けよう。
朱羅姫専用の武器・神薙の刃(かんなぎのやいば)と
同じく朱羅姫専用の衣装・天涙の衣(てんるいのころも)について、説明する。
 
刃・衣、共に朱羅姫の人数分だけ存在すると言われている。
朱羅姫の人数が数十人とも数百人とも言われており、 定かではないので、ゆえに刃・衣の数も不明。
ただ朱羅姫専用の武器・衣装と言うだけあって、 普通の武器や衣服とは全く異なる点があるのだ。  


まずは神薙の刃についてだが、この武器が最初に作られた時、 全てが刀の形状をしていたらしい。
それが長い年月を経て世界各地へと散らばり、 人々の手が加えられる事で、
剣(つるぎ)、槍、斧、など、様々な武器へと変化していった。

そしてこの神薙の刃の最たる特徴は、武器としての側面ではない。
これらは、朱羅姫を内在した少女、つまり一族で
朱羅姫となる宿命を持って生まれた少女が初めて手にした時に、 朱羅姫を目覚めさせる鍵となるのだ。

その少女のもう一つの人格である朱羅姫が目覚めると、 心は束縛され、焔舞へと導かれる。

「殺せ・・・殺せ・・・他の朱羅姫を殺して、一つになれ」と。
 
声は日毎、心を蝕み、次第に本来の人格は失われていく。
そして少女は、完全に朱羅姫に支配される。
・・・これが神薙の刃の大きな特徴である。


そしてもう一つ、衣装・天涙の衣。
これもまた、朱羅姫が身に纏うという行為によって、 通常では起こりえない事象を巻き起こす事となる。
身体能力の強化である。 天涙の衣は、朱羅姫が戦士として、肉体の力を 最大限に引き上げるための触媒なのである。
概算ではあるが筋力は通常時の五倍、感覚は十倍の鋭さが 備わると言われていた。
もちろん朱羅姫以外の者が着ても、そういった効果は得られない。    



これが神薙の刃、そして天涙の衣、 そして大雑把ではあるが、「朱羅姫」の説明である。
朱羅姫という言葉は、本当は一言では語り尽くせないほどに、奥が深い。
いや、「奥が深い」のではなく、「重い」と言った方が良いのだろうか。
それほどに、数多くの人々の疑念と悔恨と、 辛苦と、絶望の想いが、深く、深く、刻み込まれているのだ。  


そうだ。昔、誰かが言っていた。
悲しい事、辛い事があるからこそ、人は人である事、 人生というものを認識するのだと。それが人間、なんだと。
 
これから語る物語がもし後(のち)の時代に残っていたら、 皆も声を合わせてそう言うのだろうか。  

あぁ。なんて、人間的なんだろう、と。
 

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